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平成24年度 陵水会名古屋支部総会
佐和学長 講演(要旨) 講師 佐和隆光氏
滋賀大学学長 佐和隆光氏

初めに、原子力発電の占める割合、世界エネルギー起源CO2排出量に関し、各種のグラフを使用されて、そのポイントが説明され、その後以下の本題に入られた。
「福島原発は人災であったのか?」
効率化と安全はトレードオフ関係にあるが、日本では官民挙げて原子炉の寿命延長と連続運転期間延長に走り、安全への備えが疎かになっていた。こういう状態で、東日本大震災で福島原発事故が発生したのではないか。
「これからの原発の在り方」
その1・・・「絶対安全」はあり得ないを大原則にして、国が責任を持って原子力規制庁はどうあるべきか答えを出すべき。
その2・・・原発は「絶対安全」ではないとの認識のもと、原発を巡るシステム(国の政策と企業の行動)のロバストネスを高める必要がある。ロバストネスとは⇒ある系が応力や環境の変化という外乱の影響によって変化することを阻止する内的な仕組み。
その3…原発をどこまで減らせるか壮大な社会実験が進行中=どこまで節電が可能かを試しながら、経済的措置を総動員して「再生可能エネルギー」の活用が必要。
「グリーン経済への歩み」
その1・・・20世紀は電力・石油の世紀で、電力の大量供給を可能にしたのが原発。
その2・・・原発依存度は逓減せざるを得ないが、節電が最大の電源になる。「もったない」が世界で通用する言葉になっている。
その3・・・今後の経済成長を牽引するのは、エコ製品の普及と省エネ投資しかないが、政府はその後押しを補助金、税制改革で後押しが必要。
「日本経済のゆくえ」
日本は分解して品質のいい製品を作るのは得意だがヒューマニティ面が弱いので、日本の製造業の競争力が弱まった。パナソニックはこれでサムソン・アップルの挟み撃ちにあったのである。競争力強化には学力が大事だが、日本の大学生の学力低下の現状をみると非常に心配である。
本当にこれからは大変だと、講演を締めくくられた。
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